私は専業のライターとしてお金をいただくようになってから、今年で6年目になります。
ですが、多少慣れたり、執筆のスピードアップはしたものの、まだまだ学ぶことが多く、日々勉強だなあと感じています。今回はそんな中で出会った一冊と、ライター経験を照らし合わせながら書いてみたいと思います。
即・役に立つ、「今すぐ書け、の文章法」で学んだこと
私はメインで書いている「ファッション」という分野については経験や知識があるものの、それを文に起こすというライティングについてはほぼ独学。
特にスクールに通ったり、講座を受けたことはないままここまで来たので、勉強や、こういうときはこうなのかな?という答え合わせの意味も兼ねて、「文章法」と名のつく本など、気になる本に出会ったら読むようにしています。
ライティングに関しては書籍向け、雑誌向け、それからウェブ向けなど、それぞれに適した手法は違えど、「伝える」という本質は同じ。
なので「ウンウンわかるなあ……」と手に取るように分かることもあれば、なるほど、こう考えたらよかったのか!と新しい気づきをもらえたりして、単純に面白いんですよね。
そんな流れで最近出会ったのが「今すぐ書け、の文章法」(堀井憲一郎さん著)という本です。
何十冊と本を書かれていて、ライター講座の先生などもされているそうで、これからライターを目指したい方や、今ブログなどを書いているけれど……という方にも、わかりやすく書かれています。
久しぶりにまさに上記のような「ウンウン&そうか!」の感情になったので、今回はびびっときたポイントについて、ライターとしての実体験をふまえながら、伝わる文章の書き方のコツについて書いてみたいと思います。
文章を書く時の大前提:読む人の立場で書くこと
これは、ライターなどの文章だけでなく、今ならインスタやYoutubeなど、全てのコンテンツづくりにおいての大事なポイントとして、まず挙げられる大前提ですよね。
多分どんなマニュアルを読んだとしても、おそらく第一に挙げられています。
文章イコール「どこまでもサービス業」
お金をもらって書く文章も、ブログに無償で書いている文章も同じですが、とにかく読む人のことを第一優先に考えて書くことが大事。
1にも2にも、コレです。
大前提過ぎて「そうだよね〜」と流されがちなのではないか、と思うこともありますが、この本には、どの程度?
というのが、ズバリ「自分の言いたいことをいったん曲げてでも、読者に楽しんでもらうことを考えるべし」と書かれています。
嘘を言えということではなく「そのぐらいの程度」という意味だと思いますが、この辺りに、
・書くことでお金を頂く人(読者のために書く)
・書くことで自己表現をしたい人(自分のために書く)
この差があるような気がします。
誰に向かって書いているかを明確に意識すること
私もライターとして文章を書く時は、いつも想定する読者層というのがあるので、その層に引っかかるように書いています。
そして迷った時は、エディターさんと「読者層としてどうか」というところですり合わせて、OKになったりNGになったりする、判断のポイントでもあります。
でも一般の人には、この読者層、ターゲットみたいなものがある、という概念すらあまり知らない、というのがおそらく現状。
なぜなら、特定の雑誌やメディアで書く場合は、エディターさんや雑誌の持つ読者層から「こういう感じの人がターゲット」と分かったり、教えてもらったりできるのですが、自分ひとりで始める時は、自分で設定したり、探り探りすすめたり、目に見えにくい作業に感じるからです。
そのため文章を書くようになった初期の頃って、「読者のことを考える」のが大事と聞いて、最初はフンフンと分かった気がしていても、さじ加減が難しい……。どこかで迷ったり、つまづくことが必ず出てきます。
そんなときに
Q:どの程度読者のことを考えるのか?
A:徹底的に、何よりも優先して考える!自分の思いをいったん曲げてでも!
というぐらい、と心に決めておけば、伝わる力がより強くなり、スムーズに進むと思います。
理想は、書き手が消えるぐらいだそう。
文章を通して自分を表現したい、というオリジナル幻想が強い方も多いそうですが、まずは読み手のためにサービスを提供する身に徹する、という意識を持つのが大事なようです。
文章を書くのは人を変えるためである
「人は人の話を聞きたいだけで、人の考えはあまり聞きたくない」
なるほど……!と思ったフレーズ。
本や映画のレビューでも
こういうことがあって、こう役立てたい、というのはさらっと入ってくるのですが
だからこう思った、こう感じた、こうだと思う!みたいな感想がどこか重たく感じるのは、そのせいかも……
タイトルに結論を入れるべし
「結論が先、その後に経緯の説明がベスト」と書かれています。
これは、ライター講座の生徒さんが提出した文章が、とにかく結論までが遅い……と感じられたこともきっかけだったようです。
これは、ビジネス上での「報告の仕方」でも大事と言われていますよね。
英語みたいな文法で、「結果は〇〇でした。理由は〇〇です」という流れと考えるとイメージしやすいかもしれません。
これはウェブのライティングに関しては特に言われることなので、普段からどのライターさんも気をつけている事柄です。
特に私が多く書いているウェブメディアの文章だと、そもそもスマホで読む人が多く、左上から詰めて大事なポイントを入れないと、目に留まらなかったり、さらっとスクロールで飛ばされがち。エディターさんとも「タイトルにインパクトがあることが大事」という話も、よくします。
今持っているもので戦う/難しくしない
「小学校の高学年にも伝わるのがいい文章」と別の本で読んだことがありますが、これもよく言われることです。
特に自分の専門分野だと、つい難しい言葉を使ってしまったりしますが、より簡単に、わかりやすくすることが大事だそう。
これは意識するようになると、普通にいろんな文章を読んでいるときも「さらっと読めていいな」「なんとなく読みにくいな」と、すごく感じるようになります。
重要:書くスピードをアップするには「まず一気に書きあげる」
これはまったく別の本で読んだのですが、実践してみてすごく効果があったので、最後に加えさせていただきます。
今は特に、手書きではなくパソコンで書く人がほとんどですよね。
そのため、書いては直し、書いては直し、が簡単にできるので、プレビューしながらちょっとずつ完璧に進めるという書き方をやりがちです。私も初期の頃は、まさにそうでした。
でも!文章の書き方の本で、
「まずはとにかくはじめから最後まで、一気に書きあげるべし。誤字脱字や細かなポイントは無視して、書き終える。最後まで書いて、やっと見直し&修正をはじめる」
これがいい!と聞いて、これは「やったことがないなあ」と思い、確かに毎月、数十本の記事を仕上げていかないといけないので、スピードアップしたくて、早速トライしてみることに。
そしてやってみた結果、確かに書き上げるのが早くなりました。
違いとして、微妙な修正などに時間を取られず、一気に書くことで無駄が省けるように感じました。全体の骨組みも早く把握できるので、細かな場所でこうかな?と迷うことが減った気がします。
多くの記事数を早く書きあげたい、書く速さをスピードアップさせたい人には、ぜひトライしてみてほしいライティング法です。
まとめ
ジャンルは問わず、大事なことはやっぱり読者の人を優先して書くということのようです。
あとは、実体験として、とにかく書きまくることが重要。一本きちんと完成させるのを、月に何十本と続けていけば、また違う世界が見えたり、新たな課題が見つかるはず。一緒に頑張りましょう~!^^